プロジェクト期間:
飲食店の人件費が下がらない本当の理由
売上を伸ばすほど苦しくなる店の構造
「人件費が高い」
これは、飲食店経営の相談で最も多く聞く言葉です。
ただ、実際に数字を分解してみると、
“人が多すぎる店”はほとんどありません。
問題は別のところにあります。
それは――
売上と人件費が、構造として噛み合っていないという点です。
なぜ飲食店は人件費を「感覚」で判断してしまうのか
多くの店舗で、人件費はこう判断されています。
忙しそうだから人を入れる
クレームが出そうだから余裕を持たせる
スタッフがしんどそうだから削れない
これらはすべて、間違った判断ではありません。
飲食店は、
人が商品であり
現場の空気がそのままサービス品質に出る
ビジネスです。
だからこそ、
数字より「その場の感覚」が優先されやすい。
問題は、
この判断が「一時的」ではなく
毎日・毎月の構造として固定化されてしまうことです。
売上が10%増えても、利益が減る店の数字構造
よくあるケースを、あえて単純化します。
月商:500万円 → 550万円(+10%)
人件費:175万円 → 210万円(+20%)
一見すると、売上は成長しています。
しかし、利益はどうでしょうか。
忙しさは増えた
人は増えた
現場は回っていない
結果、
経営者の手元には以前よりお金が残らない。
このとき多くの人が、こう判断します。
「まだ売上が足りない」
ここが、構造ズレの入口です。
「人件費率30%」という言葉が飲食店を壊す
人件費の話になると、
必ず出てくる言葉があります。
「人件費率は30%以内に抑えましょう」
しかし、
この言葉をそのまま信じるのは非常に危険です。
なぜなら、
業態
営業時間
時間帯別売上
オペレーション密度
これらを無視して
“率”だけで判断してしまうからです。
例えば、
ランチとディナー
平日と週末
では、
許容できる人件費構造は全く違います。
見るべきなのは「月次の率」ではなく、
時間帯ごとに売上と人件費が合っているかです。
人件費は「削る」ものではなく「合わせる」もの
人件費が高いと感じたとき、
多くの店がやってしまうのが、
とりあえず人を減らす
シフトを削る
という対処です。
これは、
一時的には数字が改善したように見えます。
しかし、その後に起きるのは、
提供遅延
クレーム増加
客単価・再来率の低下
スタッフの疲弊・離職
結果として、
別の形でコストが跳ね返ってくる。
人件費は削減対象ではありません。
売上構造に“合わせる”対象です。
そのために必要なのは、
時間帯別売上
時間帯別人件費
人時売上(売上 ÷ 労働時間)
この3点だけです。
これを見ると、
削るべき時間帯
逆に人を入れるべき時間帯
が、驚くほどはっきりします。
このズレを直さずに集客すると何が起きるか
売上と人件費のズレを放置したまま、
集客を強化するとどうなるか。
店は忙しくなる
現場は回らない
人をさらに入れる
人件費がさらに増える
そして、経営者はこう思います。
「もっと売らないとダメだ」
この瞬間、
失敗構造のループが完成します。
これは個人のミスではなく、
構造上、誰でもハマる罠です。
👉
この全体構造については、
親記事
「なぜ飲食店経営は、努力しているのに失敗するのか」
で詳しく解説しています。
このズレを直すと、何が変わるのか
売上と人件費のズレが整うと、
最初に起きる変化は「数字」ではありません。
現場に余裕が出る
判断が速くなる
無駄な不安が減る
その結果として、
利益が安定する
経営者が現場から少し離れられる
次の改善に進める
初めて「集客が意味を持つ状態」になります。
OFFICE KIDOが人件費を見るときの考え方
OFFICE KIDOでは、
人件費を「削る前提」で見ることはありません。
まず行うのは、
売上と人件費の同時分解
時間帯ごとの構造整理
現場判断と数字判断の切り分け
です。
そのうえで、
何をやめるか
どこに集中するか
を決めます。
人件費は結果であり、原因ではない。
この前提を外さないことが、改善の第一歩です。
まとめ|人件費が高いのではなく、構造が合っていない
人件費の悩みは、
多くの場合「人」の問題ではありません。
売上との関係
時間帯の設計
判断の順番
これらが噛み合っていないだけです。
もし今、
忙しいのに儲からない
人件費の話になると感覚論になる
そう感じているなら、
一度「構造」から整理する価値はあります。
▶ 売上と人件費の構造整理(無料相談)
集客や施策の話をする前に、
まずは
「今の数字と現場がどうズレているか」
を整理してみませんか。
売り込みは行いません。
現状整理から一緒に行います。
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